メンテナンス リール

ベイトリールの水洗いについて、シマノ公式の最新動画から考察する。【実験有り】

皆さんベイトリールの水洗いはどうされていますか?

こちらのブログにも過去に何度か書かせていただいていますが、そこそこ検索での流入があるみたいです。

ありがとうございます。

海で使った後のベイトリールの水洗いについて【2018年版】

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水道水で流す、貯めた水にズボッと入れる、そのまましばらく漬け込む等、色々やり方や意見があったりしますよね。

そしてYouTube等で紹介されているのがハンドルをクルクル回しながら洗うというもの。

 

個人的に流水で洗おうが水に漬け込もうが、海水による汚れの状態次第でどちらでも良いとは考えていますが、

水が侵入した状態でのハンドルの回転に関しては、未だ疑問が残るんです。

 

今回、たまたまYoutubeを開いたらオススメで出てきたのがシマノが公式に出しているメンテナンス動画。

公開されてから5秒という出来たてホヤホヤの最新情報をキャッチ出来ましたので、順を追ってこちらで考察していこうかと思います。

 

本当にグリスは大丈夫なの?という疑問から、簡単な実験もしてみましたので是非最後まで御覧ください。

 

※ こちらの記事では YouTubeチャンネル 「シマノセールス(株)」よりスクショ画像を引用させていただいております。

 

シマノ公式 最新のベイトリール洗浄&簡易メンテナンス動画

YouTubeチャンネル 「シマノセールス(株)」より引用

どうですかこの最新っぷり!

ついつい「1コメ!」ってしたくなる人の気持がちょっと分かるような気がしますねw

 

まずはこちらの動画を御覧ください。

シマノが公式で出されている動画ですので、基本的には間違いない内容なのかと思います。

 

肝心の水洗いは、かなりしっかり洗っている印象

YouTubeチャンネル 「シマノセールス(株)」より引用

まず忘れがちなのがこれですね。

洗う前にドラグを締める。

私もついつい忘れてしまいますが、ドラグワッシャー内部に水が浸透しないよう締めた方が良いに決まっています。

構造上、入ってしまった水分はなかなか抜けないと思います。

 

YouTubeチャンネル 「シマノセールス(株)」より引用

そして水洗いですが、かなりしっかりと洗っている印象でした。

動画では1分40秒程洗っていましたね、編集されているかもしれませんので正確な時間までは分かりませんが、少なくともちょろっと流す程度の洗浄ではありません。

そして気になったのは、ハンドルを回しながら水を流しているということ。

これは素人考えですと「グリス大丈夫なの」という気もしますが、これに関しては最後に実験しながら考察してみたいと思います。

 

YouTubeチャンネル 「シマノセールス(株)」より引用

何のことを指しているかは、分かるかと思いますwww

メーカーとしての立場では、こうなるんでしょうね。

 

YouTubeチャンネル 「シマノセールス(株)」より引用

家に帰ってからの洗浄でしたらラインを抜くというのは確かに理想かもしれませんが、これは理想と現実といったところでしょうか。

個人的には釣行後すぐに水洗いを済まして、帰りの車中で乾燥という方が現実的でかつ理想的と考えています。

海水が乾く前のほうが圧倒的に塩は落としやすいはずですから。

 

注油は釣行5回に1回で良いの?

YouTubeチャンネル 「シマノセールス(株)」より引用

意外だったのが注油の頻度ですね。

釣行5回に1回の注油で良いらしいです。

 

YouTubeチャンネル 「シマノセールス(株)」より引用

少なくともスプール周りの注油に関しては、釣行毎やるのが正解と思っていましたが・・・。

シイラのショアジギなんかで朝から夕方までずっと投げっぱなし、なんていう日には途中お昼頃に一回注油していたくらいですからね。

まぁこれは極端な例なのかもしれませんし、1回の釣行の『重さ』にもよると思いますのでケースバイケースということで。

 

にしてもあれだけの水洗いで5回に1回、ホントに大丈夫なのかなぁ・・・。

(5回の水洗いとは書いていないけど)

 

YouTubeチャンネル 「シマノセールス(株)」より引用

ハンドルの付け根もつい忘れがちですよね、ここは5回に1回で納得です。

余分なオイルを拭き取るのは忘れずに。

拭き忘れると、ハンドルノブが悲惨なことになります。

 

YouTubeチャンネル 「シマノセールス(株)」より引用

ここはグリスじゃなくてもいいんだぁ、って思っていたら・・・

 

YouTubeチャンネル 「シマノセールス(株)」より引用

そういう事でしたか。

こういう些細な説明がとても親切だと感じます。

 

YouTubeチャンネル 「シマノセールス(株)」より引用

毎釣行後の水洗いをお勧めされて動画は終わります。

毎釣行後じゃなくて海釣行後じゃないの?って突っ込みを入れたくなったのは秘密です。

 

YouTubeチャンネル 「シマノセールス(株)」より引用

 

最後に高評価ボタンとチャンネル登録も忘れずに押しときましたよ( ̄ー ̄)bグッ!

 

水洗いの最中でハンドルを回すことについて

さて、ここからは完全に私の個人的な意見で、素人なりに考察し思うことを書きます。

それは、『水洗いの最中でのハンドルを回す行為に関して』です。

 

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こちらのブログでも書いていますが、水中でハンドルを回すことはグリスの劣化や流出を早める行為なのではないか?ということです。

その記事に書いていることは以下の通りです。

 

これはリールに限った話ではないですが、水は機械にとっては大敵なのです。

もちろんそれ以上に塩の方がもっと大敵なので、水で洗う訳なんですが。。。

 

ベイトリールには防水性はないと先ほども書きましたが、

問題は水が浸入した状態で動かすことにあると考えています。

釣行中はもちろん仕方がありませんが、

洗う時、中に水が入った状態でハンドルをクルクル回すとどうなるか。

 

メインギアとピニオンギアの間にはグリスが薄い膜を張って存在しています。

そこに水が浸入しギアが動くことでグリスと水を練りこむカタチになりグリスは乳化します。

(乳化とは油と水が混ざった状態、マヨネーズみたいな状態で、早い話がダメになるということです)

または水がグリスを押し出すかもしれません。

これはあくまでも私はリールのエンジニアではございませんので、素人レベルでの考察にはなりますが。

繰り返しますが、私はド素人です。

が、概ね間違えたことを言っている気もしないんですよね。

いずれにせよ定期的なオーバーホールは大前提として、そのオーバーホール頻度をどのくらいのスパンで考えるかということでしょうか。

 

実際にグリスと水を混ぜる実験をしてみた

いくら無い頭を絞ったところで答えは出ません。

ならば実験をしてみよう!

ということで、簡単にではありますが実際にグリスと水を混ぜ合わせる実験をしてみました。

使ったグリスは、私もリールメンテナンスで使用しているシマノのグリスです。

硬さ違いでDG01とDG04の2種類で検証してみようと思います。

 

グリスに関しては全くの素人ですから、ウレア系がどうとかシリコン系がなんちゃらとか、そういう話はここではしません。(知りません)

グリスの使い分けは硬さ(ちょう度?)くらいでしか見ていません。

また、実験と言っても極簡単なもので、顕微鏡やら測定器なども使用しません。

悪しからず。。。

 

水が混入したリール内の動くメインギアを想定しての実験

プラケースの蓋に、少量(直径1センチ程度)のグリスを出しました。

左からDG04(ちょっと硬め)、DG01(普通)となります。

分離していた箇所は予め避けています。

 

まずは流水を掛けてみます。

ケースの上下を入れ替えたので、左がDG01で右がDG04です。

柔らかいDG01はこの時点で重さと水流で流されてしまいそうにはなりますが、なんとか耐えています。

特に水に何かが溶け出しているような様子は見受けられませんでした。

 

次に水を掛け続けた状態で混ぜ合わせてみます。(写真では水は止めています)

正確な時間は計っていませんが、およそ1分程混ぜ合わせています。

徐々に柔らかくなっていく感覚があり、多少の流出を目視で確認しました。

が、プラケースに接触している箇所はしっかりと粘って残っています

潤滑性能は結構残っているような印象でした。

 

ちょっと硬めのDG04も同様にして混ぜ合わせます。

やはりこちらの方が硬さも残り、水にも強い印象です。

もちろん、水と混ぜ合わせたことによってある程度柔らかくなっています。

 

どちらのグリスも多少の流水が掛かった状態で稼働しても、グリスは残るということは分かりました。

但し、柔らかくはなっています。

 

そして、色の違いが分かるでしょうか?

実験後のグリスの下に出した新品のグリスと見比べてみてください。

乳白色に変色しているのが分かるかと思います。

つまりこのマヨネーズみたいなのが乳化した状態というわけですね。

 

『グリス 乳化 影響』で調べてみると

因みに『グリス 乳化 影響』で検索して調べてみました。

ウィキペディアにおいては、『グリースの劣化が潤滑面の寿命の到達とは限らない』とあり、状況次第では『引き続き問題なく使用できることが多い』とさえ記載してあります。

また別のサイト(グリースの基礎知識)においては、『水分が混入しグリースと撹拌されると、乳化しやがて液状化が生じる。このようなグリースの液状化が、潤滑部位からの漏洩の原因であることが多い。』

とあります。

 

つまり、多少の水が混入したまま使ってグリスが乳化してもすぐには駄目にならないよ、でもそのうちギアからグリスが流れ出て駄目になるから定期的にオーバーホールしようね。

という風に解釈出来ると思います。

 

まとめ

まず先の実験の話の結論としては、個人的にはこうです。

水洗いをしながらハンドルを回すことは、それ程神経質になる必要もないけど回さないに越したことはない。

だから今後も自分のやり方は変えるつもりはありません。

 

そしてやはり最も重要なことは、海水での使用後に洗わずに放置しないこと、定期的にオーバーホールすること。

ということではないでしょうか。

 

決して安くはないベイトリールを少しでも長く使う為、

  • 海で使ったら水洗いしないといけないと話では聞くけど一体どの程度洗えばいいの?
  • ホントに水をブッ掛けても大丈夫なの?

といった不安を抱えているユーザーは非常に多いと思います。

そんなユーザーに向けて、メーカーが公式でこのような動画を出してくれるのは非常に勉強になりますし、何よりも心強いですよね。

 

ここまで自分なりの考察や実験も交えながら紹介してきましたが、メーカーのやり方を批判するつもりで書いてきた訳ではございません。

メーカーも色々なユーザーの色々な使われ方を想定し、出来ることならユーザー毎のケースバイケースの答えを提示したいはずです。

しかしそうしてしまうと結局ユーザーに判断させる要素が増えてくるので、なかなか難しいところだと思うんです。

そんな中色々な情報が出回るネット社会において、ある一定の答えを提示してくれたことに感謝すべきだと思うんですね。

 

 

という訳で、今後もシマノセールス(株)チャンネルは要チェックやっ!カチカチカチ

 

 

因みにここで実験に使用したグリスはDG01とDG04ですが、ぶっちゃけDG01とベアリング用のオイルが一個あればリールメンテナンスは大体OKです。

あまり難しく細かく考えてもメンドクサイですからねw

拘りたい人は、とことん拘ってくださいな!

 

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