今回はベイトリールのオーバーホールをしていきます。
普段のメンテナンスは釣行毎に水洗いをして、スプールベアリングにオイルを差しているだけですが、出来れば数回の水洗い毎にこのグリスアップを行う事をおすすめします。
オーバーホールとは言っても全部バラッバラに分解する訳ではなく、主に回転部分を洗浄しグリスを入れてやるだけですので、比較的簡単に行う事が出来るかと思います。
釣行頻度にもよりますが、全部バラすフルオーバーホールは年に1回とかでやれば良いのではないでしょうか。
オーバーホールに必要なものは、過去の記事にまとめてありますのでそちらを参考にしてみてください。
-
ベイトリールのオーバーホールに必要な油脂類は?(ケミカル編)
ベイトリールのオーバーホールに必要な油脂類(ケミカル類)を紹介しておきます。 油脂類に関しても基本的にはメーカー純正品を使っています。(使うリールとは違うメーカーですが) それほど高価な物は使っていま ...
続きを見る
-
ベイトリールのオーバーホールに必要な工具はこれだけあればOK(工具編)
ベイトリールのメンテナンスに必要な工具類をまとめてみました。 メーカーや機種によってはこれ以外にも必要な物がある場合もありますが、現状私はここに紹介したものだけで日頃のメンテナンスからオーバーホールま ...
続きを見る
ベイトリールのオーバーホール 手順その1 分解する
今回はこちらのリールをバラしていこうと思います。
今年は殆ど使っていませんが、過去にグリスアップしたのはいつだか覚えていませんw
近々ショアジギングに使おうと思うので、このリールでやっていこうと思います。
キッチンペーパーを敷いて、その上で作業をしていきます。
まずは、スプールを外します。
ハンドルを外します。
外した部品は、順番が分からなくならないように外した順番、外したままの向きで並べていくと分からなくならずに済みます。
万が一、組み付ける順番が分からなくなったら、パーツリストを参照することによりある程度は分かるかと思います。
パーツリストを見ても、細かいワッシャーなどの違いまでは分かりませんので、不安な方は写真を撮りながらやってもいいですね。
例えばアブガルシアでしたらコチラから参照できます。
ドラグパーツを外しましたら、いよいよカバーを開けていきます。
このリールの場合、こちら側から3本のプラスネジを外します。
裏側からも1本止まっているので、こちらも外します。
計4本のネジを外すと、カバーを外す事が出来ます。
汚なっ!w
ベイトリールのオーバーホール 手順その2 洗浄する
次にメインギアを外していきます。
同時にピニオンギアも外しますが、その際スプリングをふっ飛ばさないように気をつけましょう。
汚いですね。
真っ黒になっていますが、普通はここまでグリスべったりではないはずです。
私の好みでドラグにはたっぷりのグリスを入れて、ガンガンドラグを滑らせてきたのでこうなりました。
黒い汚れはカーボンワッシャーのカーボンだと思います。
グリス汚れの洗浄には、スプレータイプのオイルを使います。
灯油でも良いですし、車やバイクいじりが好きな方は洗浄液を使っても構いません。
ただし、循環式の洗浄液を使う場合は細かい金属粉などが付着しないように気をつけてください。
そういう意味でも、スプレーが無難かと思いますけどね。
まずはメインギアとピニオンギアだけを洗います。
一応、今回の作業の中では最もデリケートな部品になりますので、取り扱いには気をつけてください。
もしもベアリングも洗浄したい場合には、ベアリング→ギア類→その他のパーツ という順番でお風呂に漬けてやるといいですね。
デリケートな部品ほど、綺麗なお風呂に入れてやりましょう。
ある程度のグリスをウエスで拭き取ってやった後、カップに入れてスプレーオイルをぶっかけてやれば綺麗になるかと思います。
ここでいきなりパーツクリーナーを使ってもいいのですが、私はパーツクリーナーがあまり好きではないのでオイルで汚れを落としています。
お好みでどうぞ。
ギアの隙間の汚れは歯ブラシで落としてやると良いですよ。
穴の中はティッシュを突っ込んでいますが、ティッシュのカスが残らない様に気をつけます。
その後、余ったオイルで他の部品も洗います。
今回は洗った後にパーツクリーナーでの脱脂は行っておりません。
丁寧に洗浄油を拭き取ってやれば大丈夫です。多分。
各パーツが綺麗になりました。
ベイトリールのオーバーホール 手順その3 グリスを入れながら組み立て
ここまでくれば、あとは組み立てるだけです。
今回は2種類のグリスを使っていますが、写真右のDG01だけでも大丈夫です。
お好みでどうぞ。
グリズは使う分を予め出しておくと楽ですし、チューブ内を汚さずに済みます。
リール本体側の気になる部分の汚れも拭き取っておきましょう。
グリスが足りなさそうな場所には、筆でグリスを入れてやります。
ハンドルが付くシャフトのネジ部分には、砂が付いている場合があるのでよく拭き取っておきます。
なお、よくリール購入インプレッションなどで見かけるのですが、グリスがベッタリ付いているのを嫌う人が多いように見受けられます。
流石にシュークリームみたいに、リール内部にグリスを充填する程入れるのはまずいですが、多少多く付着していようと問題はありません。
むしろ、格好つけて ギリギリ少量のグリスしか入れないでいると、1〜2回水洗いしただけでグリスが抜けてしまう事にもなりかねませんので、グリスを入れる場所にはしっかりと入れてやった方が良いと思います。
余分なグリスのコンマ何グラムの重さも増えるのは許せないとか、関係ないところに居座るグリスがどうしても気になるという性格の方もいらっしゃるかと思いますので、各自好きにやってもらって結構ですが。
繰り返しますが、リール内部のグリスベッタリをバカにするのはナンセンスなのでやめましょうww
このリールには、この様なバックアップラチェットも付いています。
ここの潤滑はグリスのみですから、格好つけずにしっかりとグリスを塗ってやります。
同時に、私はドラグヌルヌルが好きなのでドラグ部分にもグリスを入れています。
ドラグ力重視の方は、ここに油分が残らない様にしてください。(むしろパーツクリーナーで脱脂することを推奨します)
メインギアにもしっかりとグリスを入れてやります。
筆で塗っていますが、筆の毛が抜け落ちて挟まらない様に気をつけてやっています。
ピニオンギアと一緒に組み込みます。
グリス警察に捕まりそうなベッタリ具合ですが、気にしません。
ただし、ピニオンギアの穴の中には絶対にグリスが入らないように気をつけます。
スプールのシャフトとピニオンギアの間にグリスが付着してしまうと、スプール回転に悪影響を及ぼし飛距離がガタ落ちしますのでお気をつけください。
グリス警察に真っ当から挑むべく、たっぷりのグリスを入れてやりましたw
このドラグパーツのグリスはDG04というちょっと硬めのグリスを入れています。
そして、ドラグのギザギザはクリック音を出す場所なのですが、グリスの有無や量によって音色が変わってきます。
グリスを抜いてやるとガチガチ大きな音が出ますが、けっこうダサい下品な音になります。
私の好みなんですが、グリスをねっとり入れてやるとコリコリ滑らかな籠もった音になりますw
ネジ部分にもグリスを差してやります。
たっぷり付ける必要はありませんが、滑らかなドラグ操作のために必ず塗ってやりましょう。
なお、写真の筆の下にある部品は、ローラーベアリングになります。
ここにはグリスは厳禁になりますので、オイルを差してやります。
その後はカバーを閉じるのですが、ピニオンギア周辺のバネ2つを忘れずに入れてやります。
結構ここのスプリングをなくしたり曲げてしまう方もいらっしゃるようですので、よく注意してください。
カバーをまっすぐ丁寧に閉じてやれば、スプリングを曲げる事もないかと思います。
ネジ4本を締めたら、ドラグパーツを順番に組み込んでいきます。
砂などが付着している事が多いので、綺麗に拭き取りながら組み付けていきましょう。
このワッシャーはポテトチップスの様に曲がっていてスプリングの様な働きをしています。
向かい合わせた時に()←こうなるように組み付けます。
この裏側に汚れがたまりますので、綺麗にしてやります。
ここも少量のグリスを塗ってやります。
ハンドルを取り付けてある程度までナットを締めたら、ロックプレートを載せてやります。
穴位置の合わせ方は、締める方向で合わせましょう。
締めすぎ注意です。
バカみたいに締める必要はありません。
最後のネジを締めて完成です。
ここがマイナスのネジだと、滑ってハンドルに傷を付けやすいので気をつけてください。
スプールベアリングへはベアリング用のオイルを差してやります。
ここに変なオイルは厳禁です。私は純正を使っています。
スプール側のベアリング、シャフトにも注油してやりましょう。
付けすぎ注意。
最後に各所へオイル、グリスを差して完成
一応、ここまでで大体OKなんですが、今回は久しぶりのオーバーホールだったのでもう少しだけグリスを入れてやりました。
レベルワインドのウォームギアへもグリスを入れましたが、ここには砂などが付着している場合があります。
気をつけないと、逆に砂を中に練り込む事になりかねないので気をつけてください。
中に砂が噛むと、最悪の場合サクッと壊れます。
かなり使い込んであるので、ハンドルノブにもグリスを入れてやりました。
ここのベアリングのグリス抜きに命を燃やす人もいますが、このリールは繊細な釣りではなくガシガシ巻く釣りに使いますのでグリスの方が良いんですよ。
そもそもボールベアリングではありませんし。
何でもかんでもグリスを抜いてシャラシャラにして喜ぶのではなく、用途に応じて使い分けることが必要なんですね。
終わりに
ここに紹介したのは私のやり方であって、教科書で学んだ方法ではありません。
もしかしたら間違っているかもしれませんし、より良い方法があるかもしれません。
グリスの量とかねwww
ひとつの参考としてご覧いただけたらと思います。
参考になりそうな動画も置いておきますので、自信が無い方はそちらもご覧ください。