今回は、アブガルシアのベイトキャスティングリールの中でも最安クラスに位置する『ブラックマックス4(BlackMAX4)』を購入しましたので、その開封レビューをお届けします。
あらかじめ言っておきますが――私はこのリールを「レビュー目的」で買ったわけではありません。
ちゃんと明確な“用途”があって、そのために「使えるリール」として選びました。
(その用途については記事後半で紹介します)
そしてこれらに関しても先にお断りしておこうかと思います。
- ベアリングの追加や交換には興味なし
- マグネットの追加・強化にも興味なし
- ヌルヌルな巻き心地は求めていない
- ピッチングや近距離の正確なキャスティング性能は無視
- 海釣り&PEラインしか使わない前提
- 基本的に改造するつもりはありません
コメントで「ここにベアリング追加すると〜」とか言われても、全〜然興味ないですし、ノーマルのままで十分戦えると思っているからです。
この記事では、そんな私が「コスパ最強の実用品」として選んだブラックマックス4の初期印象・外観・スペック・構造のチェックポイントを、写真付きで紹介していきます。
実釣レビューのほうが気になる方はこちら👇
Contents
ブラックマックス4を徹底レビュー|見た目・スペック・構造をチェック!
実際に手に取って、じっくり観察&触ってみた第一印象を、いくつかの視点からレビューしていきますね。
細かい部分までチェックしながら、ブラックマックス4というリールについて、良いところも気になるところも包み隠さず語っていこうと思います。
【このパートでは以下のポイントを紹介しています】
- 見た目は結構カッコいい(外観・デザインの印象)
- スペックは必要十分。樹脂ボディでも気にしない
- スプールがちょっと重たい?32mm小径だけど…
- サイドプレート開閉の改善ポイント
- 水抜き穴はないけど、実用上は問題なし
見た目は結構カッコいい
ロキサーニベースなのか、まったくの新設計なのかは分かりませんが、デザインは前モデルと比較してもかなり洗練されてきた印象です。
シュッとしていて、正直ふつうにカッコいいです。
もちろん細部をよく見ると、コストカットされている部分も多くて、質感という意味では「やっぱり安いな…」と感じるかもしれません。
でもリールを“釣り道具”として考えた場合や、見た目に高級感を求めない人にとっては必要十分と言えるのではないでしょうか。
それに、“安っぽい”とはいっても、ノーブランドの激安リールにありがちな妙なプラ感や中華的ツルテカ塗装とはまったく違っていて、ちゃんと「メーカー製の実用品」らしい雰囲気があります。
そこはやはり上位機種と共通のボディ形状だったり、アブガルシアならではの洗練されたデザインのお陰かもしれません。
各スペックは価格なりなのか?
スペックは以下の通りになります。
まぁぶっちゃけここだけ見ても、何も判断出来ませんけどね。価格に直結するのはベアリング数のみ、他の要素はあくまでもこのリールの特性を表しているだけにすぎませんから。
正直、価格に関係なく似たようなスペック表のリールはいくらでもありますので、数字だけを追い求めても仕方がありませんからね。
よく分からない人のために付け加えるなら、エントリーモデルとしては必要十分な構成になっていますので、心配しなくていいということでしょうかw
項目 | スペック |
---|---|
スプール径 | 32mm(幅22mm) |
ベアリング数 | 5(4BB+1RB) |
ギア比 | 6.4:1(最大巻取り長64cm) |
自重 | 200g |
最大ドラグ力 | 6kg |
ラインキャパ | PE3号で100m(※1.5号なら約200m) |
ボディはオール樹脂製のため、さすがに上位機種のような剛性感は期待できません。ただし、通常の釣りで使う分には「剛性が足りなくて困る」ような場面はほとんどないと思います。
価格帯を考えれば、むしろ十分すぎるスペックとも言えるのではないでしょうか。
立ち上がり重視の32mmスプールですが重さが…
スプール径が32mmになったことで、より軽いルアーへの適応力やキャストのコントロール性が上がった……と思いきや、スプール単体の重量(約17.5g)がちょっと足を引っ張っている気もします。
とはいえ、私の用途ではまったく問題ありませんし、むしろ強度が欲しいシチュエーションもあるので、これはこれで望ましい仕様だとも言えます。
入門機として使う分には、極端に軽いルアーを投げる場面も少ないでしょうから、このくらいの重さがちょうどいいのかもしれません。
そもそもスプールが“特別軽い”わけでもなければ、“重たくて使いづらい”というほどでもありません。
スプール幅もナロー設計なので、ライン込みで考えると実際の使用感としてはそれほど重さを感じませんでした。
実際に使ってみたキャストフィールについては、また別の記事で詳しく書こうと思っていますが……非常にヌケの良い、気持ちのいいキャストフィールでしたよ。
もう外れない!サイドプレートの開閉方式が進化!

ワンタッチでスプールが外れる構造ですが、不意に外れる事がなくなった機構に進化しました。
今回のモデルで特筆すべき改善点はここでしょう!
前モデルのブラックマックス3では旧タイプの開閉方式を採用していたため、操作ミスによるトラブルは起きにくい構造でした。
しかし、その後の第4世代Revoシリーズでは新たなロック方式が導入され、誤操作でサイドプレートが外れてしまうというトラブルが相次いだという経緯がございます。

このピンを引っ張って脱着する構造になり、誤操作によるトラブルを回避
今回のブラックマックス4では、ワンタッチでスプールが取り出せる利便性はそのままに、誤ってロック解除をしてしまいサイドプレートが外れてしまうというトラブルを完全に回避した構造になりました。
実際に操作してみても、しっかりした安心感がありますし、何よりも見た目のデザインを損なわずに機能面を強化したというのはユーザーとしても嬉しいところですよね。
ちなみに、前モデルではロックシャフトが丸見えで「操作性は良くても、見た目がちょっと…」という状態でしたからねw
水抜きの穴がない?実際に使ってみて見つけた解決策
海での使用がメインの私としては、ここはちょっと残念ポイントではあります。というのも、他のモデルにはあるリール下部の水抜き穴が、このブラックマックス4には空いていないんですよね。
海での釣行後は、必ずしっかり水洗いするのですが、ベイトリールの構造上、内部にはわりとガッツリ水が侵入します。
そのため、スプールを外した状態で1〜2日ほど乾燥させるのがいつもの流れなのですが、水抜き穴がない=乾きにくいのでは?という心配がありました。
……が、実際に水洗いしてみた結果、ちゃんと解決策がありました!

この様に立てて置けばクラッチサムバー部分の大きな開口部から水が抜けます
クラッチサムバーの部分に大きめの開口部があるので、そこを下にして乾燥させればOK。
水洗いから半日後に内部を開けてみたところ、メインギアの裏以外はほぼ乾燥していたので、使用上の問題はあまり心配ないのかもしれません。
完全に乾かすには1〜2日以上かかると思いますが、それは水抜き穴のあるリールでも同じなので、特別な弱点というほどではなさそうです。
ブラックマックス4の巻き心地や使用感は?用途も詳しくレビュー
このパートでは、開封時に感じた巻き心地の印象や、よく比較される【プロマックス4】との違いについて、スペックや使い勝手の観点からまとめてみました。
あわせて、私がこのリールを選んだ理由や用途についてもご紹介していこうと思います。
【このパートでは以下のポイントを紹介しています】
- 巻き心地は?ある部品を調整して巻きが軽くなることも?
- プロマックス4との違い(ギア比・色・ベアリング・クリック音)
- 私の用途と選んだ理由(なぜこれを選んだか)
- ブラックマックス4開封レビューまとめ:ベイト入門機にはオススメの1台
巻き心地は?ある部品を調整して巻きが軽くなることも?
この価格帯のリールに“巻き心地”を求めるのが間違いなのかもしれませんが、やっぱり気になるという方も多いのではないでしょうか。
率直に言えば悪くないです。というか個人的には全然良いと思っています。
ゴリゴリ・ザラザラといった感じは一切ないので安心してください。
とはいえ、箱出し状態では少しモッサリ感があったのは正直なところ。良く言えばヌメッと滑らかなんですが、悪く言えば回りが多少重たいんですね。
多分グリスが馴染んでいなかったのかな?と思い、そのまま試投を3回ほど続けてみました。
- 川で1時間(試投)
- 海での実釣2回:累計21時間
- 水洗い:2回
これくらい使ってみると、ある程度は馴染んで軽くなった感覚はありましたし、実際使っていて全く気にならないレベルでした。
ただ、改めて他のリールと比べてみるとそこには歴然とした差があったんですね。
これは個体差かもしれませんし、これを読んだ人が無闇に分解して壊してしまっても困るので、伏せておこうとも思ったんですが……
実は、私は内部の部品をちょこっとだけ調整して改善させることができました。
興味のある方は、こちらの動画をご覧ください👇(21分20秒辺りからになります。)
繰り返しますが、私はこの巻き心地で十分満足しています。ガッツリ負荷をかけて巻くような釣りにも使っていますが、ベアリングの追加や改造をする予定は全くありません。
このままで十分戦えます。
プロマックス4との違い

第3世代のプロマックス3
ブラックマックスとプロマックスでは、価格差が約1,000〜2,000円程度。その微妙な差で「どっちを買うべき?」と迷う方も多いのではないでしょうか。
私はプロマックス4を購入していませんので、あくまでメーカーのスペック情報をベースにした内容になりますが、代表的な違いをいくつか紹介していきます。
ギア比が違う
まず一番の違いは「ギア比」です。
-
ブラックマックス4:6.4:1(ローギア)
-
プロマックス4:7.1:1(ハイギア)
この違いは、巻き取りスピードやテンポ重視の釣りをするかどうかで選び方が変わってきます。
ちなみに、私が今回ブラックマックスを選んだのは、よりローギアのリールが欲しかったから。
価格が高いからハイギア、だから良いリール……というわけではないんですよね。
色が違う
色の違いで結構見た目の印象が変わってきますよね。
形こそ殆ど同じに見える2機種ですが、プロマックスのほうが色の使い方にちょっと高級感があって、正直カッコよく見えます。
赤が好きな人ならブラックマックスのほうが好みに合うかもしれませんが、私は断然、ガンメタ基調のプロマックスの方がかっこいいと感じるんですよね。……まぁ、オッサンなのでw
ベアリング数が違う
ブラックマックスのベアリング数は「5個」、それに対してプロマックスは「6個」と、たった1個の違いです。ベアリングにこだわる人はまずここを見ると思いますが、私はまったく気にしていません。
だって、たかがベアリング1個ですよ?この違いで性能が大きく変わるとは思っていませんし、正直「で、何か変わった?」って感じじゃないですかね?
たぶん、この2台を並べて空回ししてみても、巻き感にハッキリした差は出ないと思います。もし違いがあるとしたら、ギア比の差によるフィーリングか、負荷をかけたときの微妙な変化くらいでしょうか。
実際ブラックマックス3の時はプロマックス3も所有していましたが、どっちがどうだったかという記憶はありませんからねw
それよりも、巻き心地に影響してくるのは
- 基本設計(ハイパーなんちゃらとかを含む
- 部品の加工精度
- 組み立て精度
- ボディ剛性
こういった“基本性能の土台部分”なんですよね。
ベアリングをあと1〜2個追加してスペック上の数字だけ上位機種に近づけても、越えられない“絶対的な性能差”は存在します。
このあたりは、スペックに踊らされない人なら共感してくれるんじゃないでしょうか。
もちろん、最安リールのベアリングを全て交換する喜びを否定するつもりはありません、それはそれである程度の効果はあるでしょうし、そういう楽しみ方もありますからね!
クリック音の有無
クリック音の仕様にも、地味ながらいくつか違いがあります。
まず、プロマックス4のメカニカルブレーキは「カチカチ」とクリック音が鳴る仕様。
一方で、ブラックマックス4は無音です。
また、ドラグノブ(ドラグ調整ノブ)を回したときのクリック音も違っていて、
実機で確認したところ、プロマックス4はここも「カチカチ音」が鳴りますが、ブラックマックス4は無音です。
ただし、ここで注意しておきたいのはドラグが実際に出たときに鳴る「ドラグクリック音(ジリジリ音)」ではないということ。
あくまで“つまみを回したときの音”だけで、実釣中にカリカリ音が鳴るタイプではありませんので、そこを期待していた方はご注意を。
私の用途と選んだ理由
私はこのリールを、いわゆる「開封レビュー用」ではなく、ちゃんと現場で使うつもりで購入しました。
そしてその用途は――ズバリ、ライトタコ釣りです。
ガチなタコ釣りには手持ちのレボビーストがありますが、新子シーズンを“もっとライトに、気軽に楽しみたい”という目的で、左ハンドルのコンパクト機が欲しかったんですよね。
その条件にハマったのが、このブラックマックス4でした。
購入時に重視したポイント
- 比較的ローギア寄り(6.4:1)
- スプールが頑丈そう
- 軽量&コンパクト
- 価格が手頃で気兼ねなく使える
なお、ハンドルについては後から交換するかもしれませんが、樹脂ボディということもあり「ゴツすぎるハンドルは合わないかも…」という気持ちもあります。
とりあえずノーマルのままで使ってみて、ポンピングで巻いても厳しそうならハンドル交換も視野に入れようと考えています。
『タコ釣り ポンピング』でググると、ほぼ全ての解説でダメだと書かれている。
動画のコメントでも指摘されてた事がある。
それでもポンピングをやめない理由は・・・?こういうの、何て言うか分かります???
ヒント チャンネル名😆 pic.twitter.com/jMoGJAj5hQ
— へそ曲りベイト道のひっさん (@hmbait) June 24, 2021

ハンドルも替えてみたりしましたが・・・
<追記:実際に使ってみて>
ハンドルを交換して使ってみました。
確かに巻きやすくはなったのですが、ライト感が薄れるので結局ノーマルに戻しています。
糸巻き量を減らすことでスプール径が小さくなり、実質ローギア化されたような巻き上げ感になったことで、ノーマルハンドルでも十分にタコと遊ぶことができました(新子ですが)。
ブラックマックス4開封レビューまとめ:ベイト入門機にはオススメの1台
最後に、購入を検討している方に向けてまとめておきます。
私はこのリールをタコ釣りという、ちょっと特殊な用途で使っていますが、32ミリスプールのおかげで“何でもこなせるオールマイティ機”という印象は今も変わっていません。
本当に、価格以上によくできたリールだと思いますし、最初のベイトリールとしても安心しておすすめできる一台です。
実際に投げてきたルアーの重さは、3.3g〜50gほどとかなり幅広く、どれも問題なく扱うことができました。
バス釣り用途で考えると、10g以上あるとキャストコントロールもしやすくなる印象ですね。
そのあたりの使い勝手や、実釣時のキャストフィールなどは、また別記事で詳しくご紹介する予定です。
……といいつつ、あまり期待せずにのんびり待っててくださいw
📌 【10/7追記】
遅くなりましたが、関連記事をアップしました👇