「釣り」に興味をもち、
図書館で借りて読んだ釣り入門で釣りオタクになり、
はれて仕掛けセットを買ってもらった訳ですが、
まだ肝心の「竿」がありませんでした。
初めての釣具屋さんに入って常連になる
学校の帰り道を少しだけそれると、商店街の片隅には小さな釣具屋さんがありました。
怖くてなかなか中には入れない独特の雰囲気。
いつ、どうやってその「大人の壁」を超えたのか、
はっきりとは覚えていませんが、
多分友達と一緒に店に入ったのがきっかけだった様な気がします。
本で見たあのウキやハリなどの小物類がところ狭しと並んでいる、
子供の自分にとってそこはまるでパラダイス、そんな場所でした。
ガラスのショーケースの上には、ウキやオモリが沢山並んでいました。
玉ウキ、棒ウキ、トウガラシウキ。
板オモリにカミツブシにガン玉。
針も沢山並んでいました。
糸は奥の棚にあって、お店の人に言って取ってもらう感じでした。
ウキは20円とか50円とか、そこはまるで駄菓子屋さんの様な感じでした。
確かそういう金額をみて、
「また来れる」
そう思った記憶があります。
店に入ったらなにかしらを買わないといけない。
そういう変な認識が当時からあったようです。
トウガラシウキは何故か少し高く(それでも120円とかでしたが)
30円とか50円で買える安い棒ウキと玉ウキが私は好きでした。
埃なのかカビなのかそれとも道具なのか、何とも言えない独特の匂い。
今でも思い出します。
あの匂い、好きでしたねぇ。
すっかり常連になり、お店のおじちゃんおばちゃんとも仲良くなった私は、
毎回行く度に、50円のハリを買ったり、20円のガン玉を買ったり、
無意味に板オモリを買ってみたり。
子供ながら何かしらを買っては、ニヤニヤしていました。
そして行く度に欲しくて欲しくてたまらない竿を見せてもらう訳ですが、
それは3.6mのオリムピックのヘラ竿。
小学3年生の私にはいつまでたっても買えるものではありませんでした。
何度も何度も見させてもらった3500円のその竿は、結局最後まで自分のものになる事はありませんでした。
店の外に出ている竹竿を買う
当時の釣具屋さんにはたいてい置いてあったと記憶しています。
店の外、もしくは入口付近にある傘立てみたいなところにささって立っている、
竹ボウキを逆さまにしたように置いてあるまさに「竹」。
竿が無い事には釣りが出来ない。
かといって3500円の竿は買ってはもらえない。
どういう話の流れだったのか、今となっては思い出せませんが、
とにかく竹の「竿」を私は買いました。
それはお小遣いでも買える300円の「竿」でした。
後に駅の裏側にある小さな駄菓子屋に行けば、
100円でそれと同じ竿が買えることを知りショックを受けた訳ですがw
竹の枝を落としただけのその竿を、私は大切にしました。
切りっぱなしに穂先には、針金で輪っかを作り糸で縛って、
3500円のあの竿と同じようにヘビ口にしました。
しかし仕掛けを結ぶにはそこに更にタコ糸でリリアンを作らなければいけない事を後から知り、
結局そこからタコ糸を出してよって結んでリリアン糸みたいにしました。
友達が上州屋で竿を買ってきた
ある月曜の日の朝、よく田んぼなんかで一緒に遊んでいた友達が、竿を買ったと自慢してきました。
日曜日に上州屋という釣具屋さんで買ってもらったんだそうで、
放課後にその買ってもらったという4.5mと5.4mの振り出し万能竿を見せてもらいました。
いいなぁいいなぁしか言えなかったような気がします。
しかしその上州屋というところでは、1000~2000円でも竿が買えるらしい。
もう竹を持っているからいいんだけど。
当時の気持ちまでは思い出せませんが、
ひっさん少年はどんな気持ちだったんでしょうかねww
いよいよ釣りに行く約束をする
その友達と早速釣りに行く約束をしました。
何故か日曜日(だったと思います)
よく釣り入門に書いてありました。
- 釣りに行く前日は早く寝ましょう
- 荷物のチェックは忘れずに
- 飴やチョコレートは必ず持っていく
だからなんでしょうか、友達の家から5分位の川に釣りに行くのに、
わざわざ日曜日にその約束をしたようです。
いつも放課後に泳いだりして遊んでいた川なのにww
入門書オタクのクッソ真面目な少年だったんだと思います。
そして挫折する
初めての釣り、しかしそれは30分も経たないうちに終わりました。
何か違う、イメージしていた「釣り」とは全然違う。
つづく
つづく